x402とは
x402とは、HTTPの402(Payment Required)ステータスコードを活用し、Web上でのプログラマティックな決済を実現するオープンプロトコルのこと。CoinbaseとCloudflareが2025年に策定した。
サーバーが「このリソースにアクセスするには支払いが必要」とHTTP 402で応答し、クライアントがステーブルコインで支払いを行うと、リソースへのアクセスが許可される。APIキーの発行やアカウント登録は不要。
HTTP 402の背景
HTTP 402 Payment Requiredは、HTTPの仕様策定時から予約されていたステータスコードだが、長年「将来の利用のために予約」とされたまま実質的に使われてこなかった。x402はこのステータスコードに具体的な決済プロトコルを定義し、実用化したもの。
仕組み
決済フローは4ステップで完結する。
- クライアントがサーバーにリソースをリクエスト
- サーバーが402レスポンスを返し、
PAYMENT-REQUIREDヘッダで支払い条件(金額、通貨、送金先など)を提示 - クライアントが決済ペイロードを構築し、
PAYMENT-SIGNATUREヘッダに含めて再リクエスト - サーバーがfacilitator(決済検証サービス)を通じて支払いを検証し、成功すればリソースを返却
サーバー側はミドルウェアを追加するだけで導入でき、独自のブロックチェーンインフラを構築する必要がない。
facilitatorの役割
facilitatorは決済の検証と実行を担うサービス。サーバー(販売者)がブロックチェーンノードの運用やトランザクションの検証を自前で行わなくて済むようにする中間レイヤーとして機能する。
Coinbaseが提供するfacilitatorでは、月1,000件まで無料、以降は1件あたり$0.001で利用できる。
対応チェーンとトークン
- EVM: Base、Polygonなど。ネットワーク識別にCAIP-2標準を採用
- Solana: 対応済み
- トークン: ERC-20全般に対応。特にUSDCやEURCなどEIP-3009準拠のトークンが推奨されている
エコシステム
Stripe、AWS、Cloudflare、Alchemy、Vercel、Nansenなどがエコシステムに参加している。
ユースケース
- API課金: APIコール単位での従量課金。サブスクリプションやAPIキー管理が不要になる
- AIエージェント: 自律的に動作するAIエージェントが、人間の介在なしにAPIアクセスの対価を支払う
- コンテンツのマイクロペイメント: 記事やデータへのアクセスを少額決済で提供する