DEXとは
DEX(Decentralized Exchange、分散型取引所)とは、中央管理者を持たず、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによってトークンの交換を実現する取引所のこと。
CEX(Centralized Exchange、中央集権型取引所)では、取引所の運営企業がユーザーの資産を預かり、注文のマッチングを行う。一方DEXでは、ユーザーが自分のウォレットから直接スマートコントラクトと対話して取引するため、取引所に資産を預ける必要がない。
主な仕組み
AMM(Automated Market Maker)
現在のDEXで主流の方式。流動性プール(トークンのペアが預けられたスマートコントラクト)に対して、数式に基づいて自動的に価格を算出し取引を成立させる。
従来の取引所のようなオーダーブック(売り注文と買い注文のマッチング)は不要。流動性を提供するユーザー(LP: Liquidity Provider)は、取引手数料の一部を報酬として受け取る。
Uniswapが採用した x * y = k の定数積公式が代表的なモデル。
オーダーブック型
CEXと同様の注文板方式をオンチェーンまたはオフチェーンで実現するDEX。高頻度取引や指値注文に向いているが、ブロックチェーンのスループットに制約を受ける。dYdXなどが採用している。
主なDEX
- Uniswap: Ethereum上で最初に広く普及したAMM型DEX。v3では集中流動性(価格範囲を指定して流動性を提供)を導入し、資本効率を改善した
- Curve: ステーブルコイン同士など、同価値のトークン交換に特化した設計で、低スリッページを実現する
- dYdX: オーダーブック型のデリバティブ(永久先物)取引に特化したDEX
CEXとの比較
| DEX | CEX | |
|---|---|---|
| 資産の管理 | ユーザー自身(セルフカストディ) | 取引所が預かる |
| 口座開設 | 不要(ウォレット接続のみ) | KYC(本人確認)が必要 |
| 上場プロセス | 誰でもトークンペアを作成可能 | 取引所の審査が必要 |
| 取引速度 | ブロック生成時間に依存 | 高速(オフチェーン処理) |
| カウンターパーティリスク | なし(スマートコントラクト) | 取引所の破綻リスクがある |
リスクと課題
- MEV(Maximal Extractable Value): トランザクションの順序を操作することで、フロントランニングやサンドイッチ攻撃といった形で一般ユーザーが不利な価格で取引させられるリスクがある
- インパーマネントロス: AMMの流動性提供者は、預けたトークンの価格が変動すると、単に保有していた場合より損失が出ることがある
- スマートコントラクトリスク: コードの脆弱性を突いた攻撃による資金流出の可能性
- フェイクトークン: 誰でもトークンペアを作成できるため、詐欺的なトークンが上場されるリスクがある